新北市(しんほくし)、略称「新北(しんほく)」は、台湾北部に位置し、中華民国の直轄市であり、元の台北県から昇格した都市です。新北市は台北市を全域で囲み、北東の3方向で基隆市と接し、南東で宜蘭県、西南で桃園市に隣接しています。市内の石門区にある富貴角(ふうきかく)は台湾本島の最北端に位置し、貢寮区の三貂角(さんちょうかく)は本島の最東端に位置しています。市全体は29の行政区に分けられ、行政の中心は板橋区にあります。登録人口は約400万人で、台湾全体で最も人口の多い都市であり、また第1級行政区です。
人口と都市発展
新北市の人口は主に台北盆地内の地域に集中しており、石門区の富貴角から烏来区の巴博庫魯山(ばぼくるざん)までの線で市域を東西に分けることができます。人口分布は均等ではなく、西部では人口密度が高く、東部では人口が少なく、差は10倍以上にもなります。
新北市の発展の歴史は台北市と密接に関係しており、清朝統治時代には淡水河右岸(現在の台北市)とそれぞれ独立して発展しました。戦後、多くの人口が移入したことで、新北市は台北都市圏の多核型都市として徐々に成長しました。市内の多くの地域は衛星都市やベッドタウンとして台北市を補完し、都市化と田園自然が共存する多様性の特徴を示しています。
地理的位置
新北市は台湾本島の最北端に位置する都市であり、東は太平洋、北東は東シナ海、西側は台湾海峡に面しています。市域は台北市を囲み、北東角で基隆市に接し、南東では宜蘭県、西南では桃園市に隣接しています。新北市は台北市、基隆市とともに台北都市圏を構成しており、その生活圏の影響は桃園市や宜蘭県にまで及びます。市内の集落は多くが台北市の周辺にある衛星都市であり、台湾の複合都市発展を象徴しています。
地形と水文
新北市の土地面積は2,052平方キロメートルで、台湾本島の総面積の約1/16を占め、全長120キロメートルの海岸線を有しています。市内の地形は多様で、山地、丘陵、台地を含みます。北海岸地域の小型独立河川や南東部の一部が蘭陽渓の流域に属する以外、その他の地域は淡水河の流域に属しています。主要な河川には基隆河、新店渓、景美渓、北勢渓、南勢渓、塭子渓、三峡渓、大漢渓などがあり、支流が交差して美しい地理環境を形成しています。
新北市の海岸線は岩石海岸が主で、岬と湾が交互に現れる地形的特徴があります。有名な岬には富貴角、金山磺港、野柳、深澳岬、鼻頭角、龍洞岬、三貂角があり、富貴角と三貂角はそれぞれ台湾本島の最北端と最東端に位置しています。市内で有名な湾には金山、野柳港、万里、深澳港、龍洞湾、福隆などがあり、これらの湾は多くが漁港やその他の用途に利用されています。
気候
新北市は亜熱帯湿潤気候区に属し、年間を通じて降水量が多く、均等に分布しています。平渓区の火焼寮(ほしょうりょう)は台湾で最も降水量が多い地域で、年間平均降水量は3,749ミリメートル(1990年~2002年)に達します。気温では、月平均最低気温は1月で約摂氏13.7度、月平均最高気温は7月で約摂氏34.8度です。