岐阜県は日本中部の東海地方に位置し、県庁所在地は岐阜市です。典型的な内陸県で海に面していませんが、地形は多様で、北部の高山山岳地帯から南部の広大な平野まで、豊かな自然景観を呈しています。歴史的には五畿七道の東山道に属し、現在は愛知県・三重県とともに「東海三県」とされます。南部の濃尾平野は名古屋都市圏と密接につながり、名古屋の重要な衛星地域となっています。
岐阜県はおおむね美濃国と飛騨国から成り立っています。北部の飛騨地方は飛騨山脈(北アルプス)を中心に山岳地帯が広がり、標高3,000メートル級の雄大な山々と深い谷を有し、平地は限られています。南部の美濃地方は濃尾平野の一部で、木曽川・長良川・揖斐川が合流し、広大な水郷地帯を形成しています。一部は海抜以下の地域もあり、水害防止のため「輪中」と呼ばれる独特の堤防集落文化が発展しました。
気候は地形の違いによって多様です。飛騨の山間部は冬は厳しく、豪雪地帯となり、氷点下20度以下の極寒に達することもありますが、夏は標高が高いため比較的涼しいです。美濃平野は典型的な内陸性気候で、夏は酷暑、冬は寒冷で、昼夜の寒暖差が大きいのが特徴です。多治見市は40.9℃を記録し、熊谷市と並ぶ日本最高気温の一つとなっています。また下呂市では41.0℃を記録したこともあります。西部では冬に「伊吹おろし」と呼ばれる寒風が吹き、体感温度が急低下し大雪をもたらすことがあります。
観光資源も豊富です。飛騨白川村の白川郷合掌造り集落は、富山県五箇山とともに世界遺産に登録され、茅葺き屋根の独特な建築と雪景色で知られ、日本の伝統的農村文化の象徴です。高山市は「小京都」と称され、江戸時代の城下町の風情を残し、三町筋や下二之町大新町などが重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。美濃市の「美濃町」は和紙の里として有名です。
自然景観としては、根尾谷断層が1891年濃尾地震の重要遺跡として特別天然記念物に指定されています。根尾谷の菊花石や石徹白杉なども岐阜の地質・生態価値を示すものです。東美濃の鬼岩公園は奇岩怪石で知られ、池田町の霞間ヶ渓は春の花見の名所です。
文化財としては、安国寺経蔵、永保寺観音堂・開山堂などの国宝建築があり、古代仏教建築の姿を伝えています。郡上市八幡北町、恵那市岩村町本通なども重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
生活文化においては、岐阜県は古来より河川と深い関わりがあり、長良川の鵜飼漁法は現在も夏の風物詩として行われ、観光と伝統が融合しています。南部の下呂温泉は日本三名泉の一つに数えられ、上質な泉質と多彩な温泉施設で有名です。