羅東孔子廟

住所: 台湾 宜蘭県羅東鎮漢民里 北成路一段28号
羅東孔子廟

羅東孔子廟(ルオドンこうしびょう)は、台湾・宜蘭県羅東鎮に位置する、文化と歴史的意義に富んだ儒教の祭祀建築です。1892年に地元住民の発起と募金によって建立され、孔子を主祭神とし、倉頡(そうけつ)、周潼渓(しゅうどうけい)、張横渠(ちょうおうきょ)、程明道(ていめいどう)、程伊川(ていいせん)、朱熹(しゅき)などの儒学の先賢も祀られています。台湾で唯一、民間の力によって建てられた孔子廟として、独特の歴史的地位と文化的価値を持っています。

現在見られる孔子廟の建物は、戦後の1966年に現在の場所へ移転された後に再建されたものであり、伝統的な孔子廟建築の精神と構造が保たれています。廟は儒教の礼制に従って設計されており、厳かで対称的な配置が特徴です。中央には「櫺星門(れいせいもん)」があり、これは孔子廟の中軸線の起点であり、典型的な孔子廟建築の要素の一つです。櫺星門は通常閉じられており、訪問者はその横にある「礼門(れいもん)」から入るのが一般的で、これは「礼に則って入る」ことを象徴しています。

さらに奥には、孔子廟の中心である「大成殿(たいせいでん)」があります。ここは孔子祭礼が行われる主要な空間で、孔子の神位が祀られており、左右には四聖(孟子・曾子・顔子・子思)やその他の先賢が祀られています。その中には、文字の創始者とされる倉頡の位牌も置かれており、彼への敬意が表されています。

櫺星門と大成殿の間の空間も文化的な雰囲気に満ちており、孔子像や池が設けられ、両側には休憩用の東屋が建てられています。さらに特徴的なのは、廟内でクジャクが飼育されていることです。運が良ければ、クジャクが羽を広げる姿を見られるかもしれません。それは静けさと優雅さを一層引き立てる光景です。

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