八徳区(はっとくく)は、旧称「八塊厝(バークァイツォ)」と呼ばれ、桃園市の北東部に位置しています。桃園市内で面積が最も小さく、かつ人口密度が2番目に高い行政区域です。地理的には、北は桃園区、東は新北市鶯歌区、西は中壢区・平鎮区、南は大渓区に接しており、桃園台地から台北盆地へ向かう重要な玄関口となっています。地勢は南から北へと緩やかに下がり、区内を流れる茄苳渓(ジアドン川)が自然の風景を豊かにしています。
八徳区の面積は約33.7平方キロメートルで、東西約6.76km、南北約8.46kmにわたります。人口は約21.5万人で、1平方キロメートルあたり約6,369人の高密度を誇り、人口が集中し発展の著しい地域です。区内には国防部高等軍事法院(高等軍事裁判所)および北部地方軍事法院が設置されています。
「八徳」という地名の由来は清朝の乾隆年間に遡ります。伝説によると、当初この地には謝(シェ)、蕭(シャオ)、邱(チウ)、呂(リュ)、賴(ライ)、黄(ホアン)、呉(ウー)、李(リー)の8つの姓の家族がそれぞれ家を建てて定住したことから「八塊厝(八つの家)」と呼ばれ、客家語では「八隻屋(パッジーヴ)」とも称されました。日本統治時代には「八塊庄」として設置され、新竹州桃園郡に編入されました。戦後は「八徳郷」となり、1995年には「八徳市」へ昇格、「村」は「里」に改編されました。そして2014年12月25日に桃園県が直轄市に昇格したのに伴い、「八徳区」として現在の行政体制となりました。
区内の商業の中心地は大湳(だいなん)地区にあり、生活利便性が高く人口も集中しており、八徳の発展の中核を成しています。