目黒川(めぐろがわ) は、東京都世田谷区・目黒区・品川区を流れる河川で、全長は約8キロメートルあり、最終的に東京湾へ注ぎます。武蔵野台地東端の二級水系に属し、東京の都市河川の中でも代表的な存在であり、桜の名所として、また中目黒沿いのロマンチックな雰囲気で知られています。
目黒川の源流は、世田谷区三宿の東仲橋付近にあり、北沢川と烏山川が合流して形成されています。起点から国道246号大橋付近までの区間は都市化の影響で暗渠化され、地上には「目黒川緑道」が整備されています。ここには人工の水流や植栽が施され、野鳥やコイ、カニなどの小動物の生息地にもなっています。大橋から下流は再び開放水路となり、川は東南方向に蛇行しながら流れ、最終的に品川区の天王洲島付近で東京湾に注ぎます。
古代、この川の下流域は「品川」と呼ばれ、砂洲が張り出し、川の流れが穏やかで港に適した地形でした。そのため、古代武蔵国の「品川湊」として栄え、「品川」という地名の起源となりました。江戸時代には、目黒区下目黒付近の河川が「垢離取り川(こりとりがわ)」と呼ばれ、目黒不動尊(瀧泉寺)へ参拝する前に身を清める場所として利用されていました。
戦後の急速な都市化により、支流の一部が下水道化され、目黒川の水量は一時的に減少しました。環境改善のため、東京都は1995年から「清流復活事業」を実施し、新宿区落合水再生センターの高度処理水を導入して水流を回復させました。この取り組みにより、生態系が復活し、多くの魚類が戻り、東京湾からボラやアユが遡上する姿も見られるようになり、かつての自然の姿がよみがえりました。