
清水紫雲巌(しみずしうんがん)は、台中市清水区鰲峰里に位置する観音菩薩を主祭とする寺院であり、地域住民にとって信仰の中心です。長い歴史と活発な信仰活動により、紫雲巌は宗教的聖地であるだけでなく、地域社会と文化の中でも重要な役割を果たしています。
宗教行事と祭り
毎年旧暦2月19日の観音菩薩の誕生日には、多くの信者が参拝に訪れ、厳かでにぎやかな雰囲気の中で深い民間信仰が表れます。
また、旧暦7月には中元普度の儀式があり、清水地域の32の里が交代で開催します。以前は旧暦7月15日に行われていましたが、家庭での祭祀と重なるため、現在は7月21日に公共儀式が行われています。頭家は10年ごとに交代し、炉主は32年で一巡します。儀式には「発関」「請神」「灶君を安置」「孤魂を請う」「懺悔の拝」「七献」「小施」などの伝統的な手順が含まれます。
二媽(ニマ)の巡行とその由来
旧暦9月1日には、紫雲巌の「二媽」神像が高美地区へ巡行し、3日間の祭壇が設けられます。この行事は、高美の漁師が夜に光る木片を拾い、観音が夢に現れてその木を神像に彫り、紫雲巌に祀るよう告げたという伝説に由来します。現在、高美・高東・高西・高南・高北の5つの里が交代で炉主を務め、伝統を受け継いでいます。
また、毎年旧暦9月18日または19日には、新社区の紫明宮と紫安宮の信者が団体で参拝に訪れ、紫雲巌とのつながりを大切にしています。彼らは1950年代に清泉崗空港の拡張に伴い新社区へ移住した清水出身の人々であり、故郷の信仰を深く大切にしています。
教師の日と文昌信仰
教師節(9月28日頃)には、紫雲巌は文昌帝君を祀る場所にもなります。もともと清水文昌廟に祀られていた文昌帝君は、1935年の地震で廟が倒壊した後、長年紫雲巌に仮置されていました。その後、廟側は鹿港天后宮の文昌殿の形式に倣って文昌殿を建設し、太歳殿と共に1999年12月10日に落成しました。
媽祖信仰の立ち寄り地
紫雲巌は観音信仰の拠点であるだけでなく、台湾の他の重要な宗教活動とも関連があります。大甲媽祖巡行の重要な停泊地の一つであり、2020年7月には白沙屯媽祖と山辺媽祖が北港朝天宮へ進香・帰還する際にも、それぞれここに立ち寄り・滞在しました。