桃園景福宮

住所: 台湾 330桃園市桃園区中正路208号
桃園景福宮

景福宮(けいふくぐう)は、一般に「桃園大廟(とうえんたいびょう)」として知られており、台湾の桃園市桃園区に位置する、歴史ある開漳聖王を祀る廟です。地域における民間信仰の中心地であり、桃園十五街庄の信仰の要でもあります。その文化的・歴史的価値から、直轄市定古跡に指定され、桃園区の区章の象徴の一つともなっています。

創建は清の乾隆10年(1745年)に遡り、当時疫病が流行していた桃仔園(現在の桃園)で、開拓者の薛啟隆が民の安寧を願い、20甲の土地を寄進して廟の建立を提唱し、「景福宮」と命名しました。主神である開漳聖王の由来には諸説あり、一説には大渓仁和宮からの分霊とも言われますが、文献や景福宮によると、福建漳浦から陳氏の祖先が奉じてきたものが最初とされています。

嘉慶14年(1809年)に桃園城が築かれた後、15街庄の漳州系住民が再び力を合わせて廟を拡張し、嘉慶16年(1811年)に完成しました。以後、幾度となく修繕が行われ、桃園地域の宗教活動の中心となりました。咸豊7年(1857年)、桃仔園が旱魃に見舞われた際、淡水同知の恩煜が景福宮で祈雨を行い、雨が降ったことで名声が広まりました。

1985年には内政部より三級古跡に指定されました。近年では、桃園メトログリーンラインが当初は廟の下を通過する計画でしたが、文化財保護と廟側の意見を踏まえ、最終的に西側へルートが変更され、廟の完全保存が実現しました。

建築様式は伝統的な閩南式の二進構造で、前殿と正殿はいずれも擬四垂屋根を採用し、間口九間の壮麗な佇まいです。正殿には開漳聖王を主神とし、南崁五福宮から分霊された玄壇元帥を合祀、左右には観音菩薩と媽祖を祀っています。中庭の両側には金母娘娘註生娘娘太歳殿には斗姥元君と太歳星君を祀り、さらに月下老人廳(縁結び)至聖廳(学問祈願)なども設置されています。

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