清境農場

清境農場

清境農場(チンジンノウジョウ)は台湾南投県仁愛郷に位置し、標高は約1,700~2,000メートルです。中華民国の退役軍人を支援する政府機関「退除役官兵輔導委員会」によって運営されており、公営事業の一つです。武陵農場(ウーリンファーム)、福寿山農場(フーショウサンファーム)と並び、台湾三大高山農場の一つとして知られ、「台湾のアルプス」と称されるほどの美しい景観を誇ります。農場の敷地面積は約760ヘクタールで、現地の食文化は主に雲南・ビルマ料理で知られています。

清境農場は中部横貫公路の霧社支線(台湾省道14甲線)に隣接しており、近年台湾で急速に人気を集めている観光地の一つです。周囲は合歓山(ホワンホワンシャン)、奇萊山(チーライシャン)、能高山(ノウカオシャン)などの壮大な山々に囲まれており、特に合歓山へのアクセスルートにあることから、冬になると雪を見に訪れる観光客で賑わいます。

また、清境農場には広々とした緑の草原「青青草原(チンチンツァオユエン)」があり、観光客の人気撮影スポットの一つとなっています。草原をのんびりと歩き回る羊たちは訪れる人々の注目の的であり、1997年から開催されている「羊の毛刈りショー」も目玉イベントの一つです。農場は高山と草原の自然風景を活かして、まるでヨーロッパのような雰囲気を醸し出しています。周辺の民宿もヨーロッパ風の建築様式を取り入れており、それぞれ個性的で清境ならではの魅力となっています。しかし、実際には民宿ごとにデザインの統一感がなく、周囲の茶畑の景観と調和していないケースも多いです。さらに、過度な開発と観光客や車両の増加により、環境汚染や騒音問題も深刻化しており、元々静かな山林は、現在では都市住民がリラックスを求めて訪れる観光地へと変貌しつつあります。

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