南投県は台湾本島の中央に位置し、中華民国で唯一の内陸県です。北は台中市、西は彰化県と雲林県、東は花蓮県、南は嘉義県と高雄市に接しています。県庁所在地は南投市で、全県には1市、4鎮、8郷(うち2つは山地郷)があります。
地理と自然環境
南投県は台湾で最も壮大な自然景観を誇る地域であり、台湾最高峰の玉山、最大の半天然湖である日月潭、最長の河川である濁水渓の源流、そして台湾の地理的中心点があります。県内は山岳地帯が多く、太平洋からの季節風の湿気を遮るため、台湾の重要な水源涵養地となっており、台湾中部の四大水系のうち濁水渓水系と烏渓水系が育まれています。
南投県は台湾で唯一の海に面していない県ですが、日月潭に浮かぶ拉魯島は県内唯一の島であり、特別な存在感を放っています。
民族文化
南投県は多様な民族が共存する地域であり、主要な原住民族にはセデック族、ブヌン族、タイヤル族、そして日月潭周辺に住む邵族が含まれます。
産業と特産品
南投県は豊かな自然資源と地理的優位性を活かし、多様な農産物や工芸品を生産しています。代表的な特産品には、青梅、バナナ、サトウキビ、凍頂烏龍茶、紹興酒、竹細工、南投陶器、花卉などがあります。
生活圏と地域区分
南投県の生活圏は大きく4つの地域に分けられます。
南投エリア
南投市、草屯鎮、中寮郷、名間郷を含み、南投市と草屯鎮が主要な都市です。草屯鎮は県内で最も大きな町であり、彰化県芬園郷との経済・文化交流が盛んです。
人口:約24.9万人。
埔里エリア
埔里鎮、国姓郷、魚池郷、仁愛郷を含み、埔里鎮が中心都市です。日月潭や清境農場などの観光地への主要な交通拠点でもあります。1999年の921大地震以降、梨山地区との往来がさらに活発になりました。
人口:約12.9万人。
竹山エリア
竹山鎮、鹿谷郷を含み、竹山鎮が主要な都市です。太極峡谷、渓頭、杉林渓へのアクセス拠点として知られています。このエリアは雲林県斗六市との交流が密接で、共同学区となっています。また、雲林県の地名は竹山鎮の「雲林坪」に由来しています。
人口:約7.1万人。
水里エリア
水里郷、集集鎮、信義郷を含み、水里郷が中心都市です。生活圏は鹿谷郷の清水溝地区にも広がっています。
人口:約4.3万人。