
国立台湾美術館(略称:国美館)は、台中市西区に位置し、中華民国(台湾)で唯一の国家級美術館であり、国内最大規模の公共美術館です。1988年に「台湾省立美術館」として開館し、当初は台湾省政府に所属していましたが、1999年の省庁再編(精省)後、行政院文化建設委員会(現:文化部)に移管され、現在の名称に改称されました。
美術館の建物は地下2階・地上3階建ての東西に長い構造で、約10ヘクタールの敷地と彫刻公園を含んでいます。館内には「水牛ホール」、「美術街」、「時光天井」、展覧室(101~U108、201~205、301~302)、さらに「浮島都市 VRギャラリー」や「Eパビリオン」など多彩な展示空間があります。その他にも資料センター、講堂、児童美術スペース、教育保育センター、カフェ、ギフトショップなどの施設が整っています。
収蔵品としては、文化的価値の高い作品が数多く揃っています。中でも文化部によって国宝に指定された林玉山の膠彩画『蓮池』、黄土水の大理石彫刻『甘露水』は特に有名です。また、黄土水の**青銅製「水牛群像」**の複製が1階ロビーに展示されています。他にも陳澄波の『淡水風景』『嘉義遊園地』、林之助の『朝涼』など、台湾美術を代表する名作が多数あります。
屋外には48点の彫刻作品と50点の碑文作品が設置されており、彫刻は敷地内に広く配置され、碑文は東側の「英才門」外の「碑林広場」に集中しています。碑文は現代のサンドブラスト技術で刻まれ、台湾の先賢や現代書道家の墨跡と風格を表現し、美術館園区内の文化的ランドスケープの特色の一つとなっています。