月津港親水公園は台南市塩水区に位置し、歴史の記憶を受け継ぎながら現代のレクリエーション空間へと転換された重要な観光スポットです。ここはかつて清代に繁栄を極めた「月津港」の跡地です。川の流れが三日月のような形をしていたことから名付けられ、当時は府城(台南)、鹿港、艋舺と並んで台湾四大繁華都市の一つとされ、「一府、二鹿、三艋舺、四月津」と称えられました。しかし、土砂の堆積によって次第に港としての機能を失い、淤塞した池となり、一時は洪水や悪臭の原因にもなりました。
往時の港の風華を取り戻すため、台南県市政府は2004年から「月津風華再現計画」を推進し、浚渫や汚水遮断、水質改善、景観改造を通じて月津港は少しずつ生まれ変わりました。2010年に計画全体が完成した後、公園全体の面積は7ヘクタール以上に達し、環境に優しい生態空間を創出しただけでなく、住民や観光客が散策を楽しむ親水エリアとなりました。
2012年からは市政府が「月津港ランタンフェスティバル」を開催し、水辺の景観と芸術的なインスタレーションを組み合わせた独特の光と影の雰囲気を作り出し、多くの人々を惹きつけ、南台湾の春節の代表的なイベントへと急速に成長しました。芸術灯籠が水面に映り込み、この帯状の水域にロマンチックで幻想的な趣を添え、月津港は親水公園であるだけでなく、塩水の文化的象徴ともなりました。
園区内の水域は全長約5キロメートルにわたり、緑地、広場、自転車道や歩道が整備され、水月橋、古月橋、興隆橋など歴史的・美的価値を持つ橋も点在しています。歩道の植栽は台湾原生種の樹木と多層的な植栽帯を中心とし、生態と景観の両立を図っています。沿道には休憩デッキや解説板が設置されており、訪れる人々は散策やサイクリングを楽しみながら、自然を眺め、文化を感じ、月津港の歴史物語を学ぶことができます。