箱根町(はこねまち)は、日本の神奈川県西部に位置し、足柄下郡に属しています。標高約1000メートルの破火山口の内側にある山間の小さな町で、四方を山々に囲まれ、自然の景観が美しい地域です。町民は主に国道138号線および小田急箱根鉄道沿線に集中して居住しています。
歴史的には、室町時代後期に後北条氏の支配下に入り、江戸時代には小田原藩の領地となりました。有名な「箱根七湯」は江戸時代から温泉地として知られ、明治から大正時代にかけては、国際的に知られる避暑地・療養地として発展しました。戦後は交通インフラや観光施設の整備により、箱根は全国的に有名な国際観光地へと急速に成長しました。
交通の面では、箱根町は便利で多様な交通網を有しています。国道1号とそのバイパスである「箱根新道」が町の東部を貫き、西北部の宮ノ下付近で国道138号と交差しています。また、小田急箱根グループが運営する交通システムが町内深くまで整備されており、箱根登山鉄道、ケーブルカー、箱根ロープウェイが含まれます。登山鉄道の終点は強羅駅で、ここはケーブルカーの起点でもあります。早雲山駅はケーブルカーとロープウェイの接続駅で、乗換のハブとなっています。登山鉄道には他にも箱根湯本駅、塔ノ沢駅、大平台駅、宮ノ下駅、小涌谷駅、彫刻の森駅などがあります。ケーブルカーには公園下駅、中強羅駅など全4駅があり、箱根ロープウェイは大涌谷駅、姥子駅、桃源台駅を経由して、観光客が各観光地へアクセスしやすくなっています。
文化的には、箱根町は日本のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』と深い関わりがあることでも注目されています。作中に登場する架空都市「第3新東京市」は、箱根をモデルの一つとしており、アニメファンにとっては聖地巡礼の地となっています。また、毎年1月に開催される「箱根駅伝」の往路のゴール地点は町内の芦ノ湖に設定されており、日本の冬季スポーツイベントとしても重要な位置を占めています。