
神奈川県箱根町に位置する箱根神社は、757年に創建された歴史ある神社で、千年以上の歴史を誇ります。神社は、修行僧・万巻上人によって芦ノ湖畔に建立され、山岳信仰の重要な拠点として、巡礼や修行の場となりました。
鎌倉時代には、武将として名高い源頼朝が箱根神社を深く信仰し、「二所詣(にしょもうで)」の伝統を築きました。その後、箱根神社は北条氏や徳川家康をはじめとする歴代の武家にとって信仰の中心となり、勝利祈願や加護を求める重要な場所として崇められてきました。近代に入ると交通の便が向上し、神社は民間信仰の拠点としても発展し、多くの参拝者が開運・厄除け・願望成就・交通安全を祈って訪れるようになりました。
神社を代表する景観の一つが、芦ノ湖に建つ「平和の鳥居」です。湖に映る富士山との共演は非常に美しく、写真愛好家たちに人気の撮影スポットとなっています。湖畔から参道を進むと、両側には樹齢600年以上の杉の古木がそびえ立ち、厳かな雰囲気を醸し出しています。神社の背後には、神奈川県の天然記念物に指定されているヒメシャラの純林が広がり、自然の神秘性を一層引き立てています。
箱根神社の御祭神は「九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)」で、金運・投資・縁結び・開運など、様々な運勢を司る神様として信仰されています。毎月13日に行われる「月次祭(つきなみさい)」には、日本各地から多くの参拝者が訪れ、神のご加護を祈ります。