神奈川県は、日本の関東地方南西部に位置し、首都圏を構成する主要な県の一つです。県庁所在地は横浜市で、人口は約921万人(2025年2月時点)と東京都に次いで全国2位の規模を誇ります。面積は2,416.55平方キロメートルで、全国第43位と比較的小さいものの、人口密度は非常に高く、都市機能が集中した県です。
地理・地形
神奈川県は、東は東京湾と接し、南は相模湾に面し、西は丹沢山地や箱根山地を境に山梨県・静岡県と接しています。県内は大きく以下の地域に分けられます。
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東部(横浜・川崎):都市化・工業化が進んだエリアで、京浜工業地帯の一角。東京湾に面し、国内外の企業が集積する経済の中心地です。
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湘南・三浦半島エリア:海沿いの温暖な地域で、藤沢市や茅ヶ崎市などの湘南エリア、鎌倉市や横須賀市が位置する三浦半島があり、歴史・観光・リゾートの要素を持つ地域です。
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西部(県央・足柄・西湘):相模原市や厚木市など内陸部の都市と、箱根・小田原など自然豊かな地域が広がり、観光地としても有名です。
最高峰は丹沢山地の蛭ヶ岳(1,673m)、主要河川は相模川、境川、中津川など。芦ノ湖、宮ヶ瀬湖、相模湖といった湖も多く、自然と都市が共存する地形が特徴です。
産業・都市機能
神奈川県は産業・経済の中心地としての機能が強く、横浜市・川崎市・相模原市の3つの政令指定都市を抱える全国唯一の県です。特に横浜市の人口は約370万人と日本の基礎自治体最大規模です。
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工業・商業:京浜工業地帯を形成し、自動車・鉄鋼・化学などの重工業からハイテク産業まで多彩。企業の本社移転数でも全国上位。
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観光:横浜の「みなとみらい21」「赤レンガ倉庫」「中華街」などの都市観光地に加え、箱根・江の島・湘南・鎌倉など歴史や自然、温泉の観光地も充実しています。
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住宅・通勤圏:東京都心へのアクセスも良く、県内全域が東京のベッドタウンとして機能。昼夜間人口比率は90%前後と低く、多くの県民が東京都心へ通勤・通学しています。
気候の特徴
神奈川県の大部分は温暖湿潤気候に属し、年間を通じて比較的温暖な地域です。ただし、地域ごとに海洋性と内陸性の気候特性が異なります。
東部(横浜・川崎・湘南・三浦半島)
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海洋性気候が強く、夏は比較的涼しく冬も温暖。
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雨量が多く、特に夏場は台風の影響を受けることがあります。
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湘南や三浦半島は観光地やリゾート地として人気が高いエリアです。
西部(相模原・県央・足柄・西湘)
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内陸性気候の影響が強く、夏は蒸し暑く冬は冷え込みます。
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丹沢山地や箱根周辺は西岸海洋性気候や亜寒帯湿潤気候に分類され、山岳地帯特有の冷涼な気候も見られます。
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箱根や相模湖周辺では積雪することもあり、都市部とは異なる気候が特徴です。
まとめ
神奈川県は、都市・産業・自然・歴史・観光がバランスよく共存する地域です。横浜や川崎の大都市圏から、湘南・箱根・三浦半島といった海や山のリゾート、さらには丹沢・足柄の自然豊かなエリアまで、多彩な表情を持ちます。首都圏の一角として経済的にも重要な位置にありながら、観光地としても全国から多くの人が訪れる魅力ある県です。