大田区

Asanagi - 自己的作品, CC0, 連結

東側では東京湾越しに房総半島を望み、中央防波堤埋立地にある令和島で江東区と陸続きとなっている。北側は品川区・目黒区・世田谷区に接し、南西には多摩川が流れ、その対岸には神奈川県川崎市が位置する。

1947年(昭和22年)、旧大森区と旧蒲田区の合併により誕生した。羽田空港の拡張によって世田谷区を上回り、23区内で最大の面積を持つ区となっている。

区の西部は丘陵地帯にあり、田園調布や山王など、日本を代表する高級住宅地が広がる住宅都市である。一方、東部の臨海部や多摩川沿いは京浜工業地帯の一角をなし、多くの町工場が集積する「中小企業の街」としても知られる。また、蒲田の繁華街や歓楽街、池上本門寺、大森貝塚、洗足池といった名所旧跡も点在し、多彩な側面を持つ地域である。

区役所のある蒲田地区は、区の行政・経済の中心であり、蒲田駅および京急蒲田駅を擁する交通の要所でもある。JR東海道本線・京浜東北線・京急本線が東京都心と神奈川県を結び、東急池上線や多摩川線が区内を走るほか、環状8号線など主要道路も通過し、羽田空港の玄関口の役割も果たしている。

東部の羽田地区を中心とする広大な埋立地は、かつて穴守稲荷神社を中心とする東京近郊の観光地として栄えた。現在は首都高速湾岸線・羽田線が走り、羽田空港や大田市場、東京流通センター、羽田クロノゲートなどの施設が立地する。さらに、隣接する品川区八潮地区には東京貨物ターミナル駅や大井コンテナ埠頭があり、東京の物流拠点として機能している。

現在の大田区域は、大正から昭和初期にかけて広く耕地整理が行われ、道路など都市基盤が整備された。今日では、大森・蒲田を「中心核」、各鉄道駅周辺を「地域核」、羽田を「未来核」と位置づけ、計画的な整備が進められている。

続きを読む

記事