台湾・高雄市左営区に位置する蓮池潭(れんちたん)は、かつて「蓮花潭(れんかたん)」や「蓮潭埤(れんたんひ)」と呼ばれていた半人工の湖です。北に亀山、南に半屏山を望み、区域内で最大規模を誇る湖で、水面積は約42ヘクタール、高屏渓を水源としています。自然景観と人文歴史の両方を兼ね備えた蓮池潭は、長年にわたり高雄の象徴的なランドマークの一つとなっています。
かつての蓮池潭の周辺には、文廟(孔子廟)、亀山、半屏山、そしてヒシ、ハス、シダレヤナギなどがあり、美しい自然の風景が広がっていました。時代の変化とともに、湖畔には春秋閣、五里亭、龍虎塔、そして湖中にそびえる北極亭や玄天上帝像など、数々の有名な建築物や寺廟が次々と建てられました。北側には壮麗な高雄孔子廟や緑豊かな万年公園があり、南側には鳳山県旧城の遺跡が見られ、濃厚な歴史的雰囲気を醸し出しています。
蓮池潭の周辺には12もの寺廟が立ち並び、参拝者で賑わい、湖の景色と相まって風情のある景観を形成しています。湖の東側入口には、中西折衷の建築様式を取り入れた牌楼(門)と高雄市風景区管理所が設置されており、文化と観光の価値をさらに高めています。
日本統治時代から、蓮池潭はその美しい自然風景で多くの人々の注目を集めてきました。1950年代から1980年代にかけては、東南帝闕楽善社啓明堂の春秋閣、城邑慈済宮の龍虎塔、左営元帝廟の北極亭など、人工的な建築物が次々に建てられ、観光地としての機能がより一層充実し、高雄を代表する観光スポットの一つとなりました。
2004年以降、高雄市政府は湖畔に「光の湖」などの親水施設を設置し、夜間景観の質を向上させました。毎年10月に開催される万年季の廟会イベントは、宗教、民俗、文化の要素が融合した賑やかな行事であり、多くの観光客を引き寄せ、地域社会と文化の発展にも貢献しています。
昼も夜も、蓮池潭は散策、景観鑑賞、地元文化の体験にぴったりの場所であり、高雄左営地区における自然と人文が融合した独自の魅力を存分に感じられるスポットです。