壯圍郷(チュワンウェイ・シャン)は、台湾宜蘭県の東部、蘭陽平原に位置し、蘭陽渓の下流および河口付近にあります。東は太平洋に面し、宜蘭市にも近く、海と田園の風景が調和した海辺の農村地域です。郷全体は地形が平坦で、砂質の土壌により排水が良く、一年を通して日照にも恵まれているため、農業に非常に適した地域となっています。
壯圍郷は農業を主要産業としており、肥沃な土地と便利な灌漑設備により、さまざまな農作物が豊かに育ちます。特に落花生、大根、スイカ、山芋などの根菜類が主力で、果物や青ネギの品質も高く、なかでもお米は有名で、台湾三大米どころの一つに数えられています。これは、壯圍郷の農業生産力とその特色を示すものです。
さらに、壯圍郷の沿岸部では独自の漁業文化も発展しています。かつての住民は漁に出たり、地引網(牽罟)などの活動で生計を立てていました。この「牽罟」という伝統漁法は、今も地域の文化体験として受け継がれており、2016年には廍後(ブーホウ)コミュニティが牽罟体験活動を企画し、来訪者がこの古い漁村の技術を直接体験できるようになっています。
豊かな農漁業に加え、壯圍郷の地理的位置も観光の魅力を高めています。蘭陽平原の海岸の中心に位置し、「亀山の日の出」を望む絶好のロケーションを有しており、写真愛好家や自然景観を楽しむ人々に人気のスポットです。総じて、壯圍郷は農業の風情、漁村文化、自然の美しさが融合した、魅力あふれる宜蘭の海辺の郷です。