中壢区(ちゅうれきく)は、台湾桃園市の北部に位置し、桃園・中壢都市圏の重要な中核の一つです。総面積は約76.52平方キロメートル、人口は43万人を超えており、桃園市で2番目に人口が多い行政区であり、また台湾全体でも人口が3番目に多い郷鎮市区として、その重要な地位を示しています。
地理と地域分布
中壢区は桃園平原に属し、桃園市の平地中央に位置しています。地理的に優れた場所にあり、北台湾の重要な交通の要所となっています。区域は大きく「中壢」「内壢」「龍岡」「大崙」の4つのサブエリアに分けられ、都市、住宅地、産業集落を含んでいます。平坦な地形と便利な交通条件から、長年にわたり多くの人口と企業を引き寄せ、急速に発展してきました。
人口と民族構成
中壢区は多様な民族が共存する地域で、人口構成は客家人が約50%を占め、次いで閩南人(びんなんじん)と外省人(中国大陸出身者)となっています。このような民族の多様性が、中壢の文化にも色濃く表れており、言語、食文化、祭りなどにその融合の特色が見られます。
経済と産業
1960年代から工業団地の設立と企業の進出が進み、中壢は次第に桃園市の重要な工業都市へと変貌しました。発展した製造業は大量の雇用を生み出し、人口の急増を促しました。生活機能の向上に伴い、大型ショッピングモール、百貨店、特色ある商業エリアなども次々と整備され、工業・商業・住宅が共存する都市構造が形成されています。
交通ネットワーク
中壢区は交通網が発達しており、桃園市の主要な交通ハブの一つです。区内には台湾鉄路管理局(台鉄)の中壢駅と内壢駅があり、外部とのアクセスが便利です。また、複数の省道、高速道路、国道が通っており、バス路線も密に整備されているため、通勤や物流に非常に便利です。
都市の特徴と文化
中壢区は工業都市であると同時に、地域文化が息づく都市でもあります。区内には中壢観光夜市や内壢商圏など、地元住民や観光客に人気のある伝統市場や商業エリアがあります。また、「中壢三宝(さんぽう)」――牛肉麺、ピーナッツヌガー、農業用の鎌――はこの地域の名物として知られ、中壢が農業社会から工商都市へと発展してきた歴史を物語っています。