栃木県

By Koichi Sato - Own work, CC BY-SA 4.0, Link

栃木県は日本の関東地方中北部に位置し、北関東を構成する主要な県の一つで、県庁所在地は宇都宮市です。海に面しない内陸県ですが、豊かな自然資源、長い歴史、そして交通至便な立地を背景に、観光・工業・農業の各分野で安定した発展を遂げてきました。

歴史的には栃木県域は古代の下野国に属し、その名は日本の古記録に頻出します。現在の県名「栃木」の語源には諸説ありますが、一般には「栃」が古字「櫔」に由来して簡略化されたものとされ、明治初期の公文書には「橡木」「杤木」といった表記も見られ、最終的に「栃木」に統一されました。

地理的には、東は茨城県、西は群馬県、北は福島県に接し、南は湿地帯を隔てて埼玉県に隣接します。県域は南北にやや長く、東西も狭くはなく、面積は約6,408平方キロメートルで全国20位、関東地方では最大です。東京から新幹線で県庁所在地の宇都宮まで約50分と交通の便がよく、東京近郊の生活・観光圏としての性格も有しています。

地形は大きく三帯に分けられます。北部・西部は那須連峰、日光連山、足尾山地などの山岳地帯で、標高1,500~2,500メートル級の峰々が連なり、森林が広がります。中部は那珂川・鬼怒川・渡良瀬川などが交錯する沖積平野で土壌が肥沃、集落が密集します。南部・東部は関東平野へと移行し首都圏の都市圏と連続、都市化が進んでいます。

行政・経済の中心である宇都宮市は県中央に位置し、人口約50万人で県内最大、北関東で単独市として最多の人口を擁します。その他、県南の足利市・佐野市・小山市・栃木市、県北の那須塩原市などが主要都市で、JR宇都宮線(東北本線)や両毛線沿いに展開し、交通網が発達しています。加えて鹿沼市、真岡市、大田原市、矢板市などが各地域の拠点となっています。

経済基盤は農・工・商・観光がバランスよく発展しています。農業では平野部の稲・小麦、高原の那須高原では畜産・酪農が盛んで、いちごやかんぴょうも名産です。工業では宇都宮周辺が戦時期以来の軍需から転じ、現在は機械・金属・食品飲料など多角化。真岡市・上三川町・芳賀町には日産・本田などと関連する自動車産業が集積し、那須塩原市・大田原市では精密機械・医療機器・カメラレンズなどの製造が発達。県南には食品・機械・陶芸などの中小工場が広がり、益子焼や足利銘仙に伝統と革新が息づいています。

観光は県の大きな柱です。最も著名なのは日光地域で、東照宮・二荒山神社・輪王寺から成る「日光の社寺」は世界文化遺産に登録。陽明門、大猷院、石の間、東西回廊など多くが国宝・重要文化財に指定されています。自然景観も壮麗で、華厳滝、中禅寺湖、戦場ヶ原、男体山、白根山などが奥日光の景観を形作ります。

県北の那須高原は那須岳、殺生石、皇室の御用邸など歴史・自然資源に恵まれ、温泉・牧場・スキー・避暑地が融合した総合リゾートです。塩原温泉・那須温泉は飛鳥・奈良期から知られる古湯でもあります。日光市の一部は尾瀬国立公園にも含まれ、自然保護と観光の要地となっています。

文化資産としては、宇都宮市の大谷地域が奇岩で知られ、大谷石の石仏は特別史跡として名高い存在です。日光杉並木街道は希少な特別天然記念物で、延々と続く古杉と石碑群が独特の歴史景観をなしています。栃木市の嘉右衛門町は重要伝統的建造物群保存地区に選定され、伝統的な商家町並みと木造建築の風情を今に伝えています。

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